
公務員は安定しているけどやりがいが少ない⋯民間企業へ行くのは怖いけどこのままでいいのかな。

今は満足しているけど、この先も同じ仕事を続けるのかな⋯民間企業の働き方ってどんな感じなんだろう。
公務員の方で、なんとなく民間企業でのキャリアが気になっている方はいませんか?
公務員は一般的に収入や雇用の安定といったメリットが多い職業と認知されています。しかし、実際に働く方の中には、年々キャリアが限定されていくといった公務員ならではの悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
私自身も同様の悩みがあり、都道府県庁での事務職9年目に転職活動を行うことを決断しました。結果として、第一志望の大手SIerからの内定をいただくことができました。実際に転職するまでには、公務員と民間企業のキャリアそれぞれのメリット・デメリットを可能な限り洗い出しました。
そこで、公務員が民間企業へ転職するメリット・デメリットを解説します。
この記事を通じて、民間企業へ転職する場合の利点やリスクへの理解を深まるはずです。これにより、民間企業で働く解像度が上がり、転職活動の是非について後悔のない判断ができるようになります。

この記事が皆さんのキャリアにとって、少しでも有益な情報になれば幸いです!
メリット

民間企業には、給与やキャリアにおいて公務員と比較して優れた点がいくつかあります。以下のとおりです。
- 成果に伴う給与水準の向上
- キャリアの幅広さ
- 柔軟な働き方
- 企業文化への適応による成長
詳しく解説をしていきます。
成果に伴う給与水準の向上
民間企業では、努力や成果が給与に直結する傾向があります。特に経営が好調な企業では、給与の伸び幅が大きくなる可能性があります。
民間企業において、社員の給与は企業が上げた利益から支払われます。そのため、業績が良ければボーナスや昇給という形で成果が社員に還元されやすい仕組みとなっています。
例えば、以下のケースが考えられます。
- 営業職で成果を上げた人が目標以上の売上を達成し、高額のインセンティブを受け取る
- ITエンジニアが高度なスキルを磨き、年収アップを実現する
民間企業では、自分の頑張りが給与アップにつながりやすい環境があり、努力が評価され経済的な成長を実感できる場合があります。
キャリアの幅広さ
民間企業で働くことで、スキルや経験を培って市場価値を高めることが可能です。これにより、転職等の選択肢が広がり、結果として給与アップや理想の仕事に近づける可能性が高まります。
近年では、民間企業において、「スキル」という個人の価値が安定の基盤となってきています。自身の能力が評価されるため、他の企業や業界でも通用するキャリアを築くことが可能です。また、企業の経営が不安定になった場合でも、培った経験を活かして転職することで、柔軟かつ安定したキャリアを保つことができます。
例えば、以下のケースが考えられます。
- マーケティング部門でデータ分析等のスキルを磨き、評価や収入が向上する
- ITエンジニアとしてスキルを磨き、それを活かしてより待遇の良い企業へ転職する
スキルの習得と経験の積み重ね次第では、自分が本当にやりたい仕事にたどり着くことも夢ではありません。
柔軟な働き方
民間企業では、リモートワークや副業など、柔軟な働き方を実現しやすい環境が整っている場合があります。これにより、自分らしいライフスタイルを築きながら働けるのが魅力です。
多くの民間企業が、テクノロジーの変化や働き方改革に伴い、リモートワークやフレックスタイム制などを取り入れています。さらに、副業を解禁する企業も増えており、自分のスキルや興味を活かして副収入を得るチャンスも広がっています。
例えば、以下のケースが考えられます。
- IT企業で、週3日は自宅でリモートワークを行い、通勤時間を家族との時間に充てる
- 得意なスキルを活かして副業を行い、収入を増やしスキルアップも実現する
このように、自分の時間を自由に使える働き方が可能な場合があります。
企業文化への適応による成長
民間企業で働くことで、成果が求められる環境に適応しながらスキルや経験を積むことができ、大きな成長を遂げることができます。
民間企業は営利を目的としており、社員一人ひとりに成果を求める文化が根付いています。このような環境では、自分のパフォーマンスが直接評価されるため、課題解決能力やチームワーク力、プロジェクトマネジメント能力といった実践的なスキルを磨くことができます。
例えば、以下のケースが考えられます。
- ベンチャー企業にて、効率的な仕事の進め方を身につけ、短期間で昇進する
- 大手小売企業にて、顧客満足度を重視した対応を身につけ、カスタマーサクセス部門のコアメンバーに抜擢される
公務員とは全く異なる環境に身を置くことで、民間企業特有のスキルを身につけることができます。
デメリット

一方で、民間企業への転職によるデメリットも存在します。以下のとおりです。
- リストラや倒産のリスク
- 激しい競争
- 組織文化の違いによるストレス
- 「安定」の喪失
詳しく解説をしていきます。
リストラや倒産のリスク
民間企業で働く場合、企業の業績や経営方針次第でリストラが実施されたり、最悪の場合は倒産する可能性もあります。
民間企業は、利益を追求する組織であり、経営環境が悪化すれば人員削減や部門閉鎖が行われることがあります。また、業界の動向や市場競争によっては会社そのものが存続できなくなる場合もあります。
例えば、以下のケースが考えられます。
- 大手企業にて、数年後に業界全体の競争激化によりリストラ対象となる
- ベンチャー企業にて、数年後に資金繰りの悪化や投資の減少が重なり、会社が倒産する
これらのリスクも踏まえて、予期しない形での転職にも対応できるよう日々のスキルアップを意識する必要があります。
激しい競争
民間企業では、個人の成果や能力が重視される環境のため、激しい競争に直面することになります。この競争は、キャリアアップの機会を得る上で避けて通れない現実です。
民間企業は利益を追求するため、社員一人ひとりに高い成果を求めます。特に競争が激しい業界や企業では、成果を出せる人材が昇進や昇給のチャンスを得やすく、そうでない人には厳しい評価が下される場合もあります。また、新しいスキルや知識を常に習得し、変化に対応し続けることが求められるため、プレッシャーを感じる場面も少なくありません。
例えば、以下のケースが考えられます。
- 社内のプロジェクト提案制度に応募するも、他の社員のアイデアと比較され、プロジェクトリーダーの座を逃す
- 大手企業にて、成果を出せない場合に希望外の部署へ左遷される
このような競争環境では、成功する人とそうでない人の差が大きく、常に努力することが求められます。
組織文化の違いによるストレス
公務員から民間企業へ転職する場合、組織文化の違いに適応する過程でストレスを感じることがあります。このギャップを乗り越えるには、柔軟な心構えと適応力が必要です。
民間企業では、スピード感が重視され、成果や効率が最優先される傾向があります。また、競争が激し炒め、成果を求められるプレッシャーが大きく、場合によっては仕事に対する姿勢やコミュニケーションのスタイルを大きく変える必要が出てきます。
例えば、以下のケースが考えられます。
- IT企業に転職した方が、業務の進め方やコミュニケーションの違いに戸惑いを感じる
- 外資系企業に転職した方が、率直なフィードバックを頻繁に行うカルチャーに馴染むのに苦労する
民間企業では、「まず行動して結果を出す」ことが求められ、事前準備に時間をかける公務員時代の習慣を見直す必要があります。この変化に適応するための数ヶ月間は、ストレスを感じますが、徐々に新しい働き方に慣れていくことが重要です。
「安定」の喪失
公務員は雇用や収入が保証されますが、民間企業への転職によりこの公務員特有の「安定」を失う可能性があります。
公務員は、税収を基盤とした給与体系やリストラがほぼ存在しない雇用形態により、経済的・職業的な安定が保証されています。一方、民間企業では業績や市場環境の影響を受けやすく、会社の経営状況や個人の成果次第でリストラや異動が行われるリスクがあります。
例えば、以下のケースが考えられます。
- 大手企業で契約社員として働く方が、契約更新のたびに結果を出すプレッシャーを感じる
- ベンチャー企業へ転職した方が、公務員での経験を活かせず、プロジェクトから外される
このように、公務員から民間企業への転職には「安定」を手放すリスクが伴います。
【まとめ】民間企業転職のメリット・デメリットを把握しよう
公務員が民間企業へ転職するメリット・デメリットについて解説しました。
転職するメリットは以下のとおりです。
- 成果に伴う給与水準の向上
- キャリアの幅広さ
- 柔軟な働き方
- 企業文化への適応による成長
一方で、転職するデメリットは以下のとおりです。
- リストラや倒産のリスク
- 激しい競争
- 組織文化の違いによるストレス
- 「安定」の喪失
民間企業は、公務員と比較してハイリスク・ハイリターンの傾向があることが分かりました。成果に向けて努力を継続できる方にとっては、民間企業の風土の方がマッチする可能性が高いと考えています。この記事を参考に、公務員と民間企業どちらの方が適正があるか、考えていただけますと幸いです。